バイオメカニクス研究所
BIOMECHANICS
バイオメカニクス研究所は
スポーツメディカル分野に貢献しています。
現代の医学会で注目されている「予防医学」と「生体医学」を研究しているのが
「バイオメカニクス研究所」です。
上腕骨・肩甲骨・鎖骨からなる肩関節は複雑な機能を有します。これらをバイオメカニクス(生体力学)の観点から
解明しています。
バイオメカニクス研究所
3次元MRI・画像解析
ヒトの関節において,最大の可動域をもつ肩関節は,肩甲骨・上腕骨・鎖骨から構成されており,複雑な構造と機能を有します.特に,肩甲骨の挙動は複雑であり,腕を挙げる方向や速度によってその挙動が変化します.
撮影肢位に制限が少ないopen-MR装置を用いることで,様々な肢位でその機能を変化させる肩関節を画像として捉える事ができます.そして,撮影されたMR画像を3次元再構築することで,骨形状やそれぞれの骨の位置関係を立体的に確認することができます.
また,CT画像から3次元再構築した骨の投影輪郭像と透視X線装置から得られた骨輪郭像を重ね合わせることで,肩関節の挙動を動的に観察することも可能となりました.これらは,肩関節の複雑な機能の解明や綿密な手術計画の立案に役立っております.
モーションキャプチャ・スタジオ
モーションキャプチャ・スタジオでは、公式サイズに再現された環境で、投球動作を複数の高速赤外
線カメラで撮影します。
この撮影より得られた3次元データから各関節の運動や負荷を算出します。この解析結果を基に、専門医が適切な処置や
運動指導を行います。
スポーツ界のプロ、アマを問わず、高い信頼を頂いています。
モーションキャプチャ・スタジオ
投球動作の計測
投球動作は,投球マウンドの傾斜やマウンドプレートを利用する動作です.練習や試合を行う環境に限りなく近い環境を再現した当院の施設は,世界でも他に類をみない施設となっております.
投球マウンドを囲むように配置された7台の赤外線カメラと2台のハイスピードカメラで投球動作を撮影します.これらのカメラは,わずか5秒以内で動作を終える高速な投球動作を「スローモーション映像」として確認することができます.
モーションキャプチャ・システムでは,各関節の皮膚上に複数の赤外線反射マーカを貼付して撮影を行います.これらの赤外線反射マーカが関節の動きを反映することになります.このデータをもとに,「障害を起こしやすい投げ方」であるかどうかを数値的に判断します.また,継続的に撮影を行うことにより,トレーニングによって投げ方が改善されたかどうかを確認することができます.
関節に加わるストレス
肩関節に,どれくらいの大きさのストレスが,どの方向へ加わっているかを推定することは,障害を起こしやすい投げ方であるかどうかを判断するうえで重要となります.また,解剖学的に脆弱な部位方向へのストレスは障害の原因と考えることが出来ます.
2011年までに,小学生からプロ選手まで,様々な競技レベルの野球投手388名を撮影させて頂いており,障害を起こしやすい投げ方と肩関節に加わるストレスとの統計学的な関係性を把握しております.